海鼠(なまこ)舟(ふね) ふくるゝ潮に さからわず 鈴鹿野風呂
大村の冬の風物誌 「海鼠(ナマコ)漁」
寒風厳しい海に小さな漁船が浮かぶ。
海岸近くで箱メガネを覗きながら海鼠を突く。
少し沖合いで、海鼠籠を漁船で曳いて獲っている舟もある。
海鼠は、通常、酢海鼠にして食する。
正月料理には欠かせない一品だ。
江戸時代では、大村藩も俵物として輸出していた。
俵物(たわらもの)とは、江戸時代に対清(中国)貿易向けに輸出された煎海鼠(いりなまこ/いりこ)・乾鮑(干鮑(ほしあわび))・鱶鰭(ふかひれ)の海産物(乾物)のこと。俵に詰められて輸出された事から、この名がある。また、この3品目のことを特に「俵物三品(たわらものさんひん)」とも呼称した。
なお、この他にも寒天・昆布・鰹節・鯣などの他の俵物の輸出も行われたが、輸出海産品の主体である「俵物三品」と区別して「(俵物)諸色」と呼ばれていた。
近年特に、中国の需要が高く 高級品食材としてもてはやされている。
しかし、不思議なことに日本料理の食材としては馴染みが薄い。
どうしてなのだろうか。
日本人は、干し物より生の嗜好性が強いせいであろうか。
さて、夏目漱石の俳句に
安々と海鼠の如き子を生めり 漱石
というものがある。
妻・鏡子夫人の初産のときに詠んだもので、句としては面白いのだが、
奥さんにしてみれば あんまりな俳句である。
また、長女「筆」さんにとっては、海鼠みたいな赤ちゃんとは
うれしくない形容である。
さぞ、恨まれたことであろう。
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