Archive for 11 月, 2007

うなぎ塚 川面に映る 寒さかな

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朝晩の寒さがようやく感じられるようになったこのごろ
郡川河口で、伝統漁法 うなぎ塚の漁をする人を見かける。

うなぎ塚は、川底をすり鉢状に掘り、大きな石を築いて高さ60cm位の小山をつくる。
この石塚に、上流から下ってきた鰻が、住みかとして入り込む。
それを、塚を崩しながら見つけて棘のついた鋏=鰻鋏で獲る至極原始的な伝統漁法だ。
原始的といっても簡単ではない。石の大小 築き方にそれぞれの秘伝があるらしい。
名人級になれば、ひとつの塚に4~5匹取れることも珍しくないという。
大物も取れる。勿論 坊主のときもある。
郡川の場合、お盆明けにうなぎ塚の抽選が、寿古公民館であり誰でも参加できる。
漁期は、11月まで。秋雨の後、鰻が下ってくる時がよく取れるという。
今年は、雨が降らないため漁獲の程はいかがなものだろうか。
私も20年位前、一度挑戦したことがあるが、小指ほどの鰻1匹だけ。
冷たい風の吹く中、塚を丁寧に崩しながら特製の水中眼鏡で期待しながらのぞき
また、石を崩すの繰り返し。鰻のいなかったときの落胆。
そして、再び塚を築きなおす。約2時間あまりの作業を終えると 流石に腰が悲鳴を上げる。
それにこりて、以後再びチャレンジしていない。

鰻の生態は、まだ解明されていないことが多く、最近、ニホンウナギの産卵場所はマリアナ諸島西方の3つの海山の一つ、スルガ海山のごく近くであることが推定できたという。
また、性別がはっきりしたのも最近で、幼魚のうちは全部雄で、水質や餌など過ごした環境によって性転換し雌になるのだそうだ。
日本では、縄文時代から食べられていたそうで、記録として残っているのが、

万葉集・大友家持の歌
石麻呂にわれ物申す 夏痩に良しといふ物ぞ 鰻捕り食せ

現在の鰻の食べ方になったのは、江戸後期からで、それまでは、鰻をぶつ切りにして(蒲の穂に似ているので蒲焼)串に刺して焼いただけで食べていた。
鰻好きで知られる作家に、斉藤茂吉がいる。彼の日記を調べたところ約1000匹の鰻を20数年間で食べ、彼の偉業を支えていたのは、鰻らしい。

ふるさとのの風物誌「うなぎ塚」
いつまでも続いていってもらいたいものだ。

最後に、鰻を詠んだ俳句をひとつ
あかつきの 湯町を帰る 鰻捕り 飯田龍太


蕎麦は まだ花で もてなす山路かな 芭蕉

 

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朝、まだ有明の月の残る頃
山の畑で農作業

畑一面 蕎麦の花が迎えてくれる。
ひんやりとした朝の畑の農作業は
文字どうり朝飯前の仕事だ。

蕎麦は、9月10日に植えたもので、11月の下旬には収穫できる。
昔から、蕎麦は救荒作物のひとつ
痩せた土地でも短期間で収穫できるのが特徴。

 

日本人に馴染み深い蕎麦が、幻想的に詠まれている好きな俳句をいくつか拾ってみると

此頃の銀河や 落て そばの花      青蘿

月を実に むすぶやすらん そばの花    青蘿

秩父路や 天につらなる 蕎麦の花    加藤 楸邨 画像-004

 

このような琴線に触れる詩を 味わいながら
改めて蕎麦の花を見てみると
見慣れた花が、しみじみと新鮮な感覚として木霊して来る。

ところで、蕎麦を麺に調理して食するようになったのは、16世紀末あるいは17世紀初頭に生まれたといわれる。蕎麦粉を熱湯で練った蕎麦掻き(そばがき、蕎麦練りとも言う)は、それ以前から食べられたいたが、現在通常 蕎麦という蕎麦切り(そばきり)は、桃山時代からのことらしい。

 

画像-003 以前何かの本で、昔から うどんは、関西以西 蕎麦は、関東以東で食べられていた。その理由は、うどんの原料である小麦が、関東以東では栽培されなかった(気候の関係)からと読んだことがあるが、これは、間違いで、関東以東でもうどんは食べられていたとのこと。ただ、元禄頃より江戸で屋台形式のファーストフードとして蕎麦が人気となり、その後、蕎麦屋が町内ごとにできる盛況となって もっぱら江戸及びその周辺ではうどんの影が薄くなったとのこと。現在の立ち食い蕎麦は、屋台形式の名残でもあるのだろう。
蕎麦屋は、蕎麦切りのみを供したわけではなく、酒の肴として蕎麦や種物(たねもの)の種だけ(ヌキ、天麩羅、かしわ、鴨、卵、蒲鉾=「板わさ」などや焼海苔、厚焼き玉子、はじかみショウガと味噌、また場合によっては親子丼などの丼ものなど)もメニューとして出していた。洒落た飲み屋でもあったとのこと。
機会があれば、こんな蕎麦屋で、美味い酒と種物で友とゆっくりと過ごしたいものだ。

さて、このところの気温上昇で蕎麦の出来は、どうなるのか いささか心配だ。

 

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