信州の旅 (4)
宿に帰り、温泉に入浴。
信州は、長崎県よりよほど温泉地が多い。
地図のいたるところに、温泉マークがある。
私たちが宿泊したホテルは、冬のスキー客がメインのホテルで、
スキー場が近くにいくつもあり スキーを楽しんだ人たちが
一日の疲れを取るために 温泉に入る。
今は、オフシーズンで、避暑のお客さんが数組宿泊している限りなので、
大名風呂である。
夕暮れには、いま少し早い露天風呂には、鶯の声が時折聞こえ、
これも思い出したように蝉の鳴き声が聞こえてくる。
今朝は、大村にいたのに いまは、信州の山奥にいることの不思議さに
違和感を覚えながら ゆったりと湯に浸り時差ボケならぬ現実の齟齬感を
繕いなおす。
娘二人に久々に顔を合わせた。
長女は、今年就職して教師になり、次女は、大学院に進んだ。
ピカピカの教職一年生は、小学校二年生の担任を任され、当然のように
毎日が忙しいようで、一日の年休を取るのも気兼ねしたらしい。
次女は、相変わらず実験に追われて毎日夜遅いという。
どちらも、すっかり大人の顔になっている。
こんな形で、旅行にいけるのも後1~2年となるだろうと妻に言われ
改めて、大人になっていく子供たちがだんだんと遠くになっていくように思えた。
「山に登らなければ、山の高さを知ることができず、
谷に降りなければ、地の深さを知ることができない」
含蓄ある荀子の言葉である。
志を持って学び続けなければ
本当の智恵を身につけることはできない。
最近になって、このことに合点がいった私である。
人は、やはり苦難に会って初めて目が啓かれるものらしい。



